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やっぱり読書  おいのこぶみ

やっぱり読書 おいのこぶみ

山本周五郎の世界

【山本周五郎の世界】


人間には悪人やだめな人はいない、
たとえ悪いことをしたり、くじけてもその心を知れば憎めない。
と、温かい人間味溢れた物語を紡いでくれた作家。
文章が実にうまい。書き出しが抜群に素晴らしかった。
読み出すとするりとその物語の世界に引き込まれてしまったものだ。
きっかけは『五瓣の椿』『さぶ』の二作。
両方とも偶然ものすごい熱情と執念のかたまりの物語。
あっけにとられて、最初はそれほど好きじゃなかった。
マイ・ブームになったのは
NHKTV大河ドラマ『樅ノ木は残った』(1970年)を観て。
主人公「原田甲斐」役の平幹二郎がよかった。
妻&恋人役の栗原小巻、香川京子、プラトニックの吉永小百合
とのシーンが好きだった。
つまりあらすじ内容はもちろん、ドラマにはまったのだった。
さっそく原作を読むね。そして小説にすっかり魅せられてしまった。
ちょうど子育てで忙しい時期、
いちいち本屋さんに行ってられないと
全集を全部いっぺんに取り寄せて配達してもらった。
「山本周五郎小説全集」新潮社の軽装版。
全38冊(上下巻も含む)!
当時、一冊500円位、物価上昇を考慮して、
それにしても、豪華なことよ。若かったねー。
それから5、6年かかったけど全部読んだのである。
長編で好きなのは
『ながい坂』『青べか物語』『赤ひげ診療譚』『季節のない街』
『ながい坂』は一番周五郎らしいのではないだろうか、
とひそかに思っている。
短編も好きなのがある。特に『小説日本婦道記』
テーマは徳婦・良妻賢母的のようで反発をおぼえそうだが、
芯の強い女性が主人公で感動する。
その精神は現代のキャリアを堅持して活躍している女性の
ストイックともいえる姿と重なる。
私はその心持をずっと見習いたいと思ってきた。
『寝ぼけ署長』も探偵物として面白かった。
とぼけた味が良い。
今回久々にちょっと読み直してみて、
藤沢周平はまったく周五郎のそっくりさんだ!!とわかった。




【山本周五郎とは】


山本 周五郎(やまもと しゅうごろう)
本名、清水 三十六(しみず さとむ)
(1903年6月22日 - 1967年2月14日 )
山梨県北都留郡初狩村(現山梨県大月市初狩町下初狩)出身。
旧制横浜第一中学校(現神奈川県立希望ヶ丘高等学校)中退。
知人の紹介で質屋に住み込みながら、正則英語学校を卒業。
その質屋の名前が山本周五郎質店で、
自身の出世作となった「須磨寺附近」を発表する際に
本人の住所「山本周五郎方清水三十六」と書いてあったものを
見て文芸春秋が誤って山本周五郎を作者名と発表されたもの。
それをそのまま、以来自分の名乗りとした。
他のペンネームとして、
俵屋宗八、横西五郎、清水清、清水きよし、土生清三、佐野喬吉、
仁木繁吉、平田晴人、覆面作家、風々亭一迷、黒林騎士、折箸闌亭、
酒井松花亭、参々亭五猿を使用。
『日本婦道記』で第17回直木賞に推されるも辞退。
代表作に『さぶ』、『赤ひげ診療譚』、『樅の木は残った』など。
氏の功績をたたえて、山本周五郎賞がつくられた。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

【読了本】



【新潮文庫】

『五瓣の椿』
『さぶ』
『樅ノ木は残った』(上下)
『赤ひげ診療譚』
『青べか物語』
『日日平安』
(城中の霜 水戸梅譜 嘘アつかねえ 日日平安 末っ子 しじみ河岸 ほたる放生 屏風はたたまれた 若き日の摂津守)

『季節のない街』
『虚空遍歴』(上下)
『松風の門』
(松風の門 鼓くらべ 狐 湯治 釣忍 ぼろと釵 砦山の十七日 酷聞)

『おごそかな渇き』
(蕭々十三年 紅梅月毛 野分 雨あがる かあちゃん 将監さまの細道 鶴は帰りぬ あだこ もののけ おごそかな渇き)

『花も刀も』
(落武者日記 若殿女難記 古い樫木 花も刀も 枕を三度たたいた 源蔵ヶ原 溜息の部屋 正体)

『日本婦道記』(平成30年版)
『大炊介始末』ひやめし物語 山椿 おたふく よじょう 大炊介始末 こんち午の日 なんの花か薫る 牛 ちゃん 落葉の隣り

【山本周五郎小説全集】

(1巻)小説 日本婦道記
(2巻)柳橋物語 むかしも今も 花筵
(3巻)山彦乙女 竹柏記 三十振袖
(4巻)風流太平記
(5巻)栄花物語
(6,7巻)正雪記(上下)
(12、13巻)天地静大(上下)
(19、20巻)『ながい坂』 (上下)
(21巻)楽天旅日記
(22巻)彦左衛門外記 茶摘みは八十八夜から始まる 月夜の眺め 雨の山吹
(23巻)「平安喜遊集」大納言狐 牛 もののけ 地蔵 偸盗 思い違い物語 秋の駕籠 女は同じ物語 
(24巻)城中の霜 水戸梅譜 紅梅月毛 ゆだん大敵 晩秋 野分 ひやめし物語 山椿 柘榴 落ち梅記 桑の木物語
(25巻)おたふく物語 妹の縁談 湯治 寒橋 いさましい話 嘘アつかねえ 菊千代抄 はたし状 雨あがる
(26巻)よじょう ぼろと釵 四人囃し 暴風雨の中 砦山の十七日 扇野 雪と泥 初夜 みずぐるま 四日のあやめ
(27巻)葦は見ていた 月の松山 鵜 日日平安 しじみ河岸 大炊介始末 夜の辛夷 かあちゃん 水たたき
(28巻)なんの花か薫る 釣忍 ほたる放生 しゅるしゅる 裏の木戸はあいている 凍てのあと あんちゃん こんち午の日 逃亡記 並木河岸
(29巻)つゆのひぬま 将監さまの細道 しづやしづ 肌のにおう 深川安楽亭 枕を三度たたいた 鶴は帰りぬ 花杖記
(30巻)ちいさこべ 末っ子 屏風はたたまれた 法師川八景 橋の下 ひとでなし あだこ ちゃん 古今集巻の五
(31巻)その木戸を通って 薊 ちくしょう谷 町奉行日記 やぶからし 落ち葉の隣 失蝶記
(32巻)おさん 霜柱 あすなろう 燕(つなくろ) 榎物語 饒舌過ぎる 十八条乙 改定御定法 源蔵ヶ原
(33巻)おごそかな渇き 滝口 醜聞 ひとごろし へちまの木 あとのない仮名 枡落し
(別巻1巻)蕭々十三年 内蔵充留守 武家草鞋 水の下の石 武道無門 討 九郎馳走 上野介正信 ゆうれい貸家 金五十両 壱両千両 人情裏長屋 長屋天一坊
(別巻2巻)雪の上の霜 評釈堪忍記 真説呑嗇記 おしゃべり物語 百足ちがい 夕靄の中 雪の上の霜 わたくしです物語 貧窮問答 
(別巻3巻)寝ぼけ署長 失恋第五番 失恋第六番
(別巻4)『新潮記』
(別巻5巻)火の杯


【単行本】

『花も刀も』
(花も刀も 一人ならじ 古い樫の木)

『慕情物語選』(上)
(秘文鞍馬経 小法師の勝ちだ 怪異生首の辻 甲府評判記 新三郎母子)

『日本士道記』
(兵法者 紅梅月毛 水の下の石 荒法師 楯輿壺 鉢の木 御馬印拝借 青竹 殉死 薯粥 石ころ)


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